楽曲詳細情報
- 作曲
- B.バルトーク(Bela Bartok)
- 編曲
- 中村 昭彦(Akihiko Nakamura)
- 演奏時間
- 約6分25秒
- グレード
- 3
- 編成
- フレキシブル
- 販売形態
- 販売楽譜(スコア+パート譜)
- Part 1(opt.) 練習用音源
- Piccolo
楽器編成
楽曲解説
ハンガリー出身の著名な作曲家でもあり、民族音楽研究家でもあったベーラ・バルトーク(1881-1945)は、生涯に渡って民族音楽の収集・分析を行いました。エルネ・レンドヴァイ著『バルトークの作曲技法』に代表されるように、「黄金比」「フィボナッチ数列」などの数学的なアプローチから難解な音楽語法を作り上げたバルトークですが、本作は複雑な書法が見られず、ルーマニアの民謡を生かした親しみのある楽曲となっています。
今回は木管のフレキシブル・アンサンブルとして編曲しました。パート数が6〜8パートとなっていて、パート1とパート8は省略可能になっています。今回の編曲で一番意識した点は、パート5〜8を楽器経験の少ない方でも演奏できるようにした点です。楽器経験の差がある団体には最適な編曲になっていると思います。
I. 棒踊り Jocul cu bata
トランシルヴァニア山地の中央部、マロシュ・トルダ県で採譜された舞曲です。旋律を演奏するパートで装飾音が多用されていますので、意識して揃えて下さい。適度にアゴーギクをつけるとより演奏効果があがると思います。
II. 飾り帯の踊り Braul
トロンタール県エグレシュで採取された農民舞踏です。楽譜上にフェルマータの指定がありますが、こちらも適度にアゴーギクをつけると効果的になると思います。
III. 足踏み踊り Pe loc
トロンタール県エグレシュで採取された舞曲です。パート1を省略し、パート2がFl.の場合はPicc.に持ち替えて下さい。Picc.が無い場合はOct.上げてFl.でも可能ですが、吹きにくい音域になってしまいます。パート4,5の伴奏形の掛け合いを意識して下さい。
IV. ブチュム人の踊り Buciumeana
トルダ・アラニョシュ県ピストラで採取された舞曲です。シンコペーションの伴奏形に注意を払って下さい。
V. ルーマニア風ポルカ Poarga romaneasca
ビハール県ベレーニェシュで採取されたポルカです。3+3+2の拍子感とsfを合わせて下さい。17小節〜最後、パート5,6の装飾音符が難しい場合は省略して頂いても構いません。
VI. 速い踊り Maruntelul
ビハール県ベレーニェシュとトルダ・アラニョシュ県ニャーグラで採取された舞曲です。テンポが速く連符が多用されていますので、縦のズレに気をつけて下さい。
編曲:中村 昭彦
1991年群馬県生まれ。群馬大学教育学部音楽専攻卒業。東京学芸大学大学院教育学研究科音楽教育専攻修了。作曲を西田直嗣、山内雅弘に師事。東京国際芸術協会第15回TIAA全日本作曲家コンクール室内楽部門審査員賞受賞。作曲・編曲家、音楽教育学研究者として活動中。吹奏楽、オーケストラ、合唱、器楽合奏などの作曲・編曲を手がけている傍ら、学会・研究会等で研究発表を行っている。
東京都、埼玉県の小・中・高等学校非常勤講師、日本女子大学非常勤助手を経て、現在、小田原短期大学特任助教、東京成徳大学非常勤講師。