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連載:アンサンブルの作り方 - 広瀬勇人

アンサンブルの作り方:広瀬勇人 第4回「演奏の整理」

こんにちは。作曲家の広瀬勇人です。

今回は実際に合わせを行う際のポイントなどを見ていきましょう。

合わせのポイントを意識すれば演奏は変わる!

前回の様にアナリーゼを行うことで楽曲の理解も深まりましたね。いよいよ合わせを行っていきます。


ただ単に合わせを繰り返すのと、ポイントを意識しながら合わせを繰り返すのとでは、同じ時間練習しても、数カ月後の仕上がりに大きな差が生まれます。質の高い練習を繰り返し、より良いアンサンブルを定着させましょう。

●音の「入り」

曲の頭や各フレーズの開始音・テンポの変わり目など、ほとんどの場合は「何となく」「無意識に」タテが合ってしまうのですが、実際には木管も金管も最初の音の運指や音域によっては「音の立ち上がり」が一時的に遅くなってしまい、その結果、微妙にタテがズレるというケースが一曲の中であちこちのパートに見られます。「入り」を合わせる意識を持つだけで、これらの微妙なズレを大幅に減らすことが出来るでしょう。


《低音楽器の注意点》
特に低音楽器はもともと管が長いため、普通に吹くと「音の立ち上がり」が中高音楽器よりもほんの0コンマ何秒遅くなってしまいます。低音楽器の人は、楽器を構えてブレスを取ってテンポ通りのタイミングで楽器を鳴らす、というルーティン作業を、速いテンポでも遅いテンポでも、どの音域でも同じ様に吹ける様、研究してみると良いでしょう。


《打楽器の注意点》
逆に打楽器は叩くとすぐ音が出てしまうので、管楽器とのアンサンブルでは0コンマ何秒先に音を出してしまうというのをよく見かけます。管楽器と一緒にアンサンブルをする際は、一緒にブレスを取ってほんの少しだけ溜めてから音を出すと、ピタッと開始音が合うことが多いので、普段の合わせから意識して練習すると良いでしょう。

●音の「切り」

複数パートで同じ長さの音を伸ばしている場合(和音の伸ばし、旋律とそのハモリのフレーズ最後の音など)、切るタイミングが合っていないと締まりのない演奏に聴こえてしまいます。


時々スコアを読み返し、「音の切り」を意識した方が良い場所・合わせる相手をパート譜にメモしておくと、合わせの際にもお互い意識をして、切るタイミングを揃えることが出来るでしょう。

●ブレスの場所

「ブレスを取る」という作業には「演奏前に息を補給する」「なくなった息を補充する」と同時に、「ここでフレーズが切れる」という、音楽の捉え方を示す重要な意味合いがあります。


複数パートで同じ旋律を同時に演奏する場合はブレスの場所を統一し、その旋律がその後2回、3回と連続して続く場合は、フレーズの同じ場所でブレスを取る様にすると、音楽に説得力が生まれるでしょう。


また、息の関係でフレーズ途中にやむを得ずブレスを取る場合は、フレーズが切れている様に聴こえない様、短いブレスを取ることを普段から意識しておきましょう。

●音の形

音には「形」があり、「アタック・コア・リリース」という3つの要素から出来ています。

「アタック」…音を開始する際のタンギングの強さ
「コア」…楽器を鳴らしている際の音の長さや太さ
「リリース」…音を切る際の処理の仕方(ブツッと切れる、丸く切れる、徐々に切れるなど)

これら3つの要素を意識し調整することで、音の形を揃えることが出来ます。


音符に「スタッカート」や「テヌート」「マルカート」「レガート」といったアーティキュレーションの指示がある場合は自然と「音の形」も揃うのですが、例えば複数のパートに4分音符が同時に出てきて音符に何も書かれていない場面では、「音の形」を意識しないと音の長さやタンギングの強さなどが人によって異なり、なかなかアンサンブルが揃って聴こえません。


何もついていない音符をどういう「音の形」で演奏するか、合わせの中で決めておくと良いでしょう。

●クレッシェンド・ディミヌエンドの「開始場所」と「到達点」

曲の中でクレッシェンド・ディミヌエンドが複数のパートに書かれてあった場合、
それぞれを何となくするのではなく、○小節目の○拍目からする、という風に具体的に「開始場所」を決めておくと良いでしょう。音量の増減に一体感が出て、より演奏効果の高い となります。


また例えば、全音符で「f」が書かれた音にが書いてある場合、「どこまで小さくするか」を決めておかないと、「mf」まで落とす人、「mp」「p」まで落とす人など、「到達点」の音量にバラつきが出てしまうので、合わせの際に決めておきましょう。

●三和音のバランス

「三和音」のハーモニーを演奏する際、「主音>第5音>第3音」という音量バランスで演奏すると、和音の倍音が安定してハーモニーパートに一体感が出て来ます。


1曲まるまる、すべての和音を分析するのは難しいですが、曲の頭や、オーケストレーションが薄い場面など、和音が目立つ場面ではスコアでコードを分析してみて、特に第3音を吹く場合は少し音量を抑え目に演奏すると、和音の響きがより心地よく聴こえるでしょう。

●役割の整理と適切な音量バランス

これは第3回「楽曲の理解」で見た通りです。役割通りの音量バランスで演奏出来ているかどうか、常に意識しながら合わせを行いましょう。(時々自分たちの演奏を録音し、客観的に演奏をチェックすると、「ここはもっとこうした方が良い」という修正ポイントが見えてくると思います。)

人の心を動かす、良い演奏とは

ここに掲載した合わせのポイントはごく一部ですが、これら以外にも自分たちで「こんなことを意識したらどうだろう」といったアイディアを出し合って、アンサンブルの精度を高めていくと良いでしょう。


自分たちでは想いのこもった良い演奏をしているつもりでも、第三者が客観的に聴くとアンサンブルの乱れの方に耳が行き、聴いていて気持ちが入り込めない演奏となっていることがよくあります。


「音を揃える」だけでは人に感動を与える演奏にはなりませんが、アンサンブルの土台がしっかりすると「音楽」そのものがスッと聴く人の心に入ってくるので、そこに演奏者の気持ちも乗ることで人を感動させる演奏になるのではないか、と思います。

今回のポイント!

●「入り・切り」「ブレス」など、ポイントを意識した合わせを積み重ねていこう!

●アンサンブルの土台をしっかり築き、「音楽」そのものを聴いている人に届けよう!


次回第5回「フレキシブル・アンサンブルのバランス整理」では、アンサンブルの中でも特に注意が必要なフレキシブル編成に焦点を当てて、そのバランス整理を見てみましょう。

(広瀬勇人)

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