クラリネット＆ピアノ：カンツォネッタ Op.19／ガブリエル・ピエルネ【ソロ輸入楽譜】

作曲：ガブリエル・ピエルネ(Gabriel Pierne)
編成：クラリネット＆ピアノ

Clarinet and Piano

ガブリエル・ピエルネは、パリ音楽院でピアノ、作曲、指揮を学び、後にコロンヌ管弦楽団の指揮者として活躍した、フランス音楽界の重要人物です。彼は、ドビュッシーやラヴェル、ストラヴィンスキーといった近代作曲家の作品を積極的に紹介し、フランス音楽の発展に大きく貢献しました。
作曲家としても、室内楽から管弦楽、声楽、バレエ音楽まで幅広い作品を残しており、その作風はセザール・フランクやガブリエル・フォーレの影響を受けつつ、繊細で優雅なフランス的感性を色濃く反映しています。
《Canzonetta Op. 19》は、クラリネットとピアノのための小品で、クラリネット奏者シャルル・チュルバンに献呈されました。
短くも美しいこの作品は、**サロン風の「ジャンル小品（genre piece）」**として位置づけられ、A-B-A形式で構成されています。
・第1主題はE♭長調で自由な表情を持つ旋律（アンダンティーノ）
・第2主題はややルバートを伴う抒情的な旋律
・中間部ではピアノが主体となり、クラリネットが音楽的対話を加える構成
・最後はクラリネットが主導権を取り戻し、エレガントに再現部へ
「avec ?l?gance（優雅に）」と記された演奏指示に象徴されるように、この作品はフランス音楽の洗練された美意識を体現しています。
今日でも、多くの名クラリネット奏者たちによって取り上げられ続けており、クラリネット・レパートリーの中でも特に優雅で親しみやすい一曲として広く演奏されています。