作曲：ロジャー・ケラウェイ(Roger Kellaway)
編曲：デニス・フェリー(Dennis Ferry)
演奏時間：7:00（約）
グレード：4～5
編成：金管5重奏

2 Trumpets
F Horn
Trombone
Tuba

ほんの数十年前までは、ジャズとクラシック音楽はまったく異なる世界とされ、両方を自在に行き来する音楽家は存在しないと考えられていました。
しかし、過去20年の間に、これら2つのジャンルを自在に操る新しいタイプの音楽家たちが登場し、ボストン出身のロジャー・ケラウェイはその中でも特に高く評価されている一人です。
彼は現代を代表するジャズ・ピアニストの一人とされ、音楽評論家のレナード・フェザーからは「天才」という言葉まで贈られています（この言葉は彼にとって軽々しく使うものではありません）。
ケラウェイは、バーブラ・ストライサンド主演の映画『スター誕生』の音楽でアカデミー賞にノミネートされ、1970年にはジョージ・バランシンとニューヨーク・シティ・バレエ団のためにバレエ作品《Pamigg》を作曲しました。
ピアニストやアレンジャーとしては100枚以上のアルバムに参加しており、カルメン・マクレエ、メラニー、ジョージ・ハリスン、ベン・ウェブスターなどと共演しています。
ジャズの世界でも、クラーク・テリー、ボブ・ブルックマイヤー、オリヴァー・ネルソン、ケニー・バレル、ジェリー・マリガン、ソニー・ロリンズ、ウェス・モンゴメリーなど、数多くの巨匠たちと活動してきました。また、故ボビー・ダーリンの音楽監督および伴奏者としても知られています。
1970年代初頭に結成された「ロジャー・ケラウェイ・チェロ・カルテット」は、3枚のアルバムを残し、音楽界では今や伝説的な存在となっています。
ブラジルのピアニスト、セルジオ・メンデスは「無人島に5枚だけ持っていくとしたら、チェロ・カルテットのアルバムはその1枚になる」と語っています。
そんなケラウェイが作曲した《The Morning Song》は、テューバ奏者ロジャー・ボボのために書かれた作品で、1979年にテューバとピアノ版が出版されて以来、世界中で長年にわたって親しまれています。ジャズとクラシックの間を行き来するような軽快で洗練された作品で、現在ではテューバの主要レパートリーの一つとなっています。
パスカル・ファーブルによる金管バンド編曲版もあり、様々な編成で演奏され続けています。