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全日本吹奏楽連盟の課題曲委嘱作品として作曲された酒井格「メルヘン」
全国大会では全99団体中なんと42団体もの団体が取り上げたこの作品を全て収録
作曲者自身からの各団体の演奏を聴いてのコメントも公開中
テンポの速いところが、ただ速いだけでなく、細かい音の流れが明確で、様々な楽器のキャッチボールが見事。テンポがゆったりしたところのハーモニーも美しく、転調した時の響きの変化も鮮やかです。[G]からのホルンの力強い音色も魅力的です。[L]もとても良いテンポでチャーミングなニュアンスが印象に残りました。
ブラスセクション、とりわけトランペットの艶やかな明るい音色が魅力的です。アルトサックスのソロも透き通った上品な音色も素敵です。ワルツ直前のアダージョのオルガンのような響きもうっとりします。[M]以降の木管楽器がブラスセクションに埋もれず、キラキラと浮かび上がって、とても華やかなエンディングでした。
冒頭のトランペットとトロンボーンのユニゾンがとても華やかです。[B]への移り変わりでは二つの異なる世界がうまく同居していて面白いです。[D]からの流れにとてもワクワクさせられ、48小節の2拍目に頂点に達するところの小太鼓の前打音は素晴らしいセンスで最高です。エンディングもハーモニーが本当に華やかです。
中低音セクションのサウンドがとても安定していて、安心して聞ける「メルヘン」でした。アルトサックスのソロも暖かく豊かな音色です。[G]からのホルンも力強い世界から優しい世界への移り変わりが見事。そして小太鼓をはじめとする打楽器セクションの音色がとてもクリアで、バンドをしっかりリードしています。
十分華やかなサウンドで始まり、5小節目に向けてどんどんと輝かしくなっていくのに、すっかりハートを掴まれました。5小節目の2拍目のベースは、これほどまで力強く拡がりのある音を響かせられるものなのですね。ゆったり目のワルツも個性的。ブラスセクションの華やかさにさらに煌めかせるかのようなピッコロの響きも素敵。
力みすぎることなく、一つ一つの音を丁寧に演奏しています。特に転調してもハーモニーが不安定になることなく、メロディーだけでなく、しっかりハーモニーを感じてくれていることが嬉しいです。打楽器が要所要所でとても良い仕事をしていて、[K]からのティンパニのクレッシェンドには、大きな広がりを感じます。
軽快なテンポが心地よく、ゆったりした部分ではアルトサックスの表情豊かな音色が印象に残ります。タンバリンやトライアングルなど、いわゆる小物打楽器がバンドをしっかり彩ってくれています。ベースパートも色々なニュアンスを持っていて、ワルツの部分では思わずベースセクションに耳を持っていかれました。
なんて素直な息遣いなのでしょう!特にクラリネットとサックスのまっすぐに響く音が透明で音楽の構造を際立たせてくれています。転調もさりげなく、でも新しく現れる音が常に新鮮に聞こえます。またテンポの移り変わりもとても自然で、なによりワルツの後半の美しいこと!特に66小節目のハーモニーにキュンとなります。
冒頭から華やかなサウンドに引き込まれました。そして一転、ゆったりしたアルトサックスのソロ。そこから[G]に向けての展開が見事で、曲想が移り変わるたびにワクワクさせられっぱなしでした。テンポの早い部分はとにかく鮮やかで素晴らしいのですが、私のお気に入りは25~27小節にかけて。本当に美しくてうっとりします。
テンポが速いところも、ゆったりしたところも、常に歌心が大切にされた演奏でした。必要以上に音を短く切らず、音のつながりが大切にされていて、全体に暖かい空気を纏っているように感じました。[G]のあと、Adagioからワルツへ移り変わる部分がなんとも美しく、64小節目の歌い回しもこだわりを感じます。
パワフルで、おおらかで、のびのびとしていた。そんな印象を受けます。特に[K]以降にこのバンドの良さが現れています。堂々として、なんか頼りになる、頼もしい、音色や音楽作りからそんな言葉が次々に思い浮かびます。ワルツの部分では暖かい、優しい、そんな言葉も思い浮かぶ、そんな丁寧さもある素敵な演奏です。
私がこの曲に隠した宝物を全て見つけてしまったかのような、バランス感覚がとにかく見事な演奏。もちろん華やかでもあり、美しい音色だけれど、それに加えて何か言葉にするなら、知性が溢れた演奏。テンポは楽譜に忠実で、余計なことは何一つしていない。でも楽譜に書いてあることは全てあるのがただただ凄い!
この曲のテンポが速いところで1小節を4つで振るか2つで振るか、興味深いポイントの一つですが、土屋先生の指揮は部分的には一つ振りだったような…そもそも拍を合わせるための指揮ではなく、この曲の世界観をどのような音で描くかを伝える指揮でした。バンドが一つの楽器のように響き渡り、一体感がとにかく素晴らしいです。
冒頭から眩しいくらいの華やかな響きに圧倒されました。18小節目の鮮やかな転調、32小節目の流れ星のようなクラリネットの響きが聴いていて本当に楽しくなります。しかしなんと言ってもTuttiのサウンドがゴージャス。[F]や[K]そしてエンディングの響きは、爽快感に溢れています。
華やかな演奏であると同時に、要所要所での繊細な表現が丁寧なのが嬉しくなります。道端に咲いている小さな花も愛情を込めて描かれているかのような、木管楽器の細かなパッセージや小物楽器のクリアな響きが素敵です。でもなんと言ってもワルツの後半で平行調に移り変わる時、音色の変化にギュッと心を掴まれてしまいました。
ウキウキした時には自然と歩くのが速くなってしまうのは当然かもしれない。そんな自然な気持ちが演奏(特に40,41小節目)に表れているように感じました。その他の部分もテンポの移り変わりが自然で、無理して合わせようとせず、自然に合うことを大切にしているのかな?と感じました。
フォルテはパンチのあるアタックが爽快で瑞々しさに溢れ、ピアノの柔らかい響きとのコントラストが見事です。[D]からはメロディーを支える半音階進行がしっかり意識されているのも嬉しい。ワルツの後半で平行調へ転調する箇所も丁寧に演奏されていて、とても印象に残りました。
全体に少しふわっとした音色で、どこか夢を見ているような「メルヘン」でした。37や72小節、ワルツ手前の55,56小節目では特にそんなふわっとした音色がこの曲にマッチしていました。また全体のテンポの変化がとても自然で無理がない、と言うのもリラックスして聴ける大きな理由かもしれません。
華やかで軽快な演奏だけれど、要所要所でどっしりとしたベースが頼もしく、48小節目2拍目のどっしり感は最高。シンバルと大太鼓、小太鼓のコンビネーションが凄く良い仕事をしていて、この部分だけループして何度も聴いてしまったほど。90,91小節のaccel.も抜群に上手です。
細部まで隙のないスマートなメルヘン。低音の倍音が心地よく響く豊かなフォルテ。広い空間でも澄んだ響きのピアノ。噂に違わぬ美しい響きに溢れた演奏でした。転調しても全く乱れることのないソルフェージュ。90,91小節の木管楽器が終始クリアに聞こえてくるバランスの処理も完璧。ただただ上手い。
なんて溌剌とした演奏!高性能なスポーツカーで街中を優雅に走るのも良いけれど、やはりサーキットで車の性能をめいっぱい使ってなんぼ。そんなドキドキワクワクする冒険映画を見ているかのような気分にさせてくれる演奏。一方でワルツではロマンチックな表情を見せてくれたり、メリハリのある世界が心に響きます。
抜群の音色とバランスで、ハーモニーの構成音が大切にされている演奏。前半のクライマックスである[G]のホルンの力強い音色から、ワルツに向けて、空の色が移り変わるような音色の変化がとても美しく、続くワルツの後半で、さらに柔らかい響きになるところで、グッと来ます。エンディングも本当にHappy!
テンポの流れや曲想の変化、転調も含めてすべての流れが自然な演奏。40,41小節目や75?78小節のハーモニーもバランスが抜群。Adagioからワルツにかけて、アルトサックスの柔らかい響きを軸にサウンドが組み立てられているのも面白いです。
冒頭の華やかな世界から、一気に優美な世界に移り変わって、そしてまた軽快な冒険が始まって…そんな場面ごとのコントラストが見事。Allegroでも勢いに任せることなく、一歩一歩確かに歩んでいく丁寧な演奏だけれど、気がつくとぐいぐい進んでいる。90小節からのaccel.も大胆で面白い。
華やかな冒頭に続いて、一気にそれぞれのバンドの個性が現れるアルトサックスのソロ。最後の7連符がrit.しつつも軽快で素敵です。小太鼓が常にクリアな音でバンドをリードしているのも気持ち良いです。89小節目でベースがcresc.する時の音色がなんともパワフルで頼もしいです。
fの華やかさが抜群だけれど、それに増してppの響きがなんと表情豊かで美しいことか。ある時は優しく、ある時は軽やかだったり。そんなピアノの表現が大切にされているから、48小節からのffが最高に輝いています。ワルツの後半はハッとさせられるほどのpp。私の「好き」を知り尽くした演奏に、思わず涙が出そうでした。
なんともゴージャスなサウンド。あらゆる宝石が散りばめられたお城の中にいるような贅沢な気分に。テンポがゆったりしたところは、存分に時間を使って、音量は小さくても音の響きは常に豊か。ffになってもハーモニーは濁ることなくつねにクリアなのがさすがです。
華やかな冒頭に続いて、ロマンチックなアルトサックスのソロ。この時点ですでに文教大学の、と言うか佐川先生独特の歌い回しが炸裂。テンポの速い部分では全体に音を短く切っているのだけれど、それらがしっかりつながってフレーズを作っているのがさすが。そして32,105小節のクラリネットが上手すぎて、参りました。
5小節目で「おいおい」と言うくらいテンポを落としたり、でもこだわりを持って演奏してくれるのはありがたいことです。ワルツも1小節目でしっかり時間を使って2小節目から動き出す感じですが、これは嫌いじゃないです。 全体に小太鼓がクリアな音とリズムで、バンドのサウンドを引き締めているのに好感を持ちました。
一言で表すなら「鮮やか」。冒頭の華やかな世界から、ロマンチックなアルトサックスソロへの移り変わり、場面ごとの音色の対比が実に見事です。ブラスセクションの華やかさもさることながら、木管楽器のクリアな響きも抜群です。3小節目ですでに「おっ」となりましたが、コーダの16分音符がこれほどくっきり聴こえるとは!
とても明るい、のびのびとした、何より楽しい、と言うかバンドの名前の通り「ゆかいな」演奏。アンサンブルも素敵で曲の流れもとても自然でバンドの一体感も素晴らしい。無理やり合わせているのではなく、自然と同じ方向を向いている演奏に、市民バンドの理想形のひとつであるように感じます。
決して器用ではなく、少々無骨にも思えるサウンドだけれど、ひたむきに音楽に向き合う姿に、いつの間にか引き込まれてしまいます。つるつるスベスベではなく、骨ばった暑い皮で覆われた職人の手のような、そんな音から生まれる音楽は、どこまでも誠実で、音楽の骨格や構造がしっかりと伝わってきます。
スラーをつけていない音をどの程度分離して演奏するか、バンドによって様々でしたが、ある意味私がもっとも自然に感じる音のつながりでした。骨太で重厚なサウンドが魅力なバンドではあるけれど、ワルツは少し速めのテンポで可憐な雰囲気を作っていたり、新たな魅力が備わってきているのを感じました。
決して100%うまく行ったわけではなかったかもしれないけれど、各場面のテンポや音色のイメージをはっきりと持っていて、それに向けて練習を重ねてきてくれたんだと思うと、本当にありがたい話です。37,72小節や55,56小節の音色がとても美しいです。
メルヘンという広い世界の一つの形を、圧倒的なエネルギーで描いてくれた演奏。指揮者の冨田さん曰く「巨人」をイメージしたのだそう。このバンドの持っている音色が存分に生かされた演奏に、良い意味で驚かされました。短い曲なのに、力強さと優しさが無限に広がっていくような懐の広さに感動します。
メンバー一人一人の技術の高さを改めて感じると同時に、プライドの高さも感じます。この集団を相手に指揮をするのも一筋縄ではいかないだろうけれど、若く勉強熱心な三原さんのひたむきな思いがバンドによく伝わっているように思えます。[G]から[H]にかけての時間の使い方が贅沢で抜群の安定したサウンドがさすが。
華やかな音色と優しい音色の対比がしっかりした、王道の演奏。12小節や32小節のように、前のフレーズにかぶさるように、メインテーマが新しく現れる部分のアンサンブルが見事です。音の響きに立体感が生まれて、構造的な広がりを感じさせてくれるのが嬉しい。もちろん[J]も見事。
録音の関係か、アルトサックスの音がずいぶん大きく聞こえるけれど、これはこれで面白い記録になりました。ワルツの奇数小節目に重心がかけられたり、[M]の前でaccel.がかかるのも新鮮。他のバンドにはないアプローチが興味深いです。バンドの実力も高く、36,38,97小節でトランペットの確かな技術も窺えます。
会場で聴いた時にも感心したのですが、打楽器の音がとにかく表情豊か。シロフォン、グロッケン、そしてトライアングルの澄んだ音色!11種類すべての打楽器の音色が魅力的でした。もちろんバンド全体の実力も高く、華やかで優雅で、可憐でもありミステリアスでもあり、そして48小節のシンバル大太鼓が最高。
ゆったりした部分で停滞しすぎないテンポのルバートが絶妙です。22小節からの木管楽器の音色が美しく、32小節のクラリネットのスケールや、37小節の夢見るような響きなど、随所にチャーミングな魅力を感じました。。92,93小節の喜びを抑えきれない表情も素敵です。
華やかな音色だけれど、テンポは少しどっしり目。高度な技術集団で一切の隙がない演奏をするバンドと言うイメージだったけれど、ちょっぴり人間的な部分もあってホッとするところも。メンバー一人一人の技術力も高いのだろうけれど、アンサンブルも丁寧で、71小節以降は完璧すぎる見事な演奏。参りました。
「メルヘンは面倒臭い」と演奏前に声をかけてくれた伊藤先生。絶対組み立てるのが大変そうなプラモデルを開封した時の少年の目をしていました。作曲家ならではの音楽の組み立て方で、共感するところの多い演奏でした。ワルツの始まりが思いがけないテンポでしたが面白いです。指揮にしっかり応えるバンドも素晴らしい。
第72回全日本吹奏楽コンクールより
全国大会で演奏された課題曲委嘱作品「メルヘン/酒井格」42団体を収録
第72回全日本吹奏楽コンクールの課題曲委嘱作品「メルヘン/酒井格」の全国大会の演奏42団体をぜ~んぶ収録
全日本吹奏楽連盟の課題曲委嘱作品として作曲された酒井格「メルヘン」
全国大会では全99団体中なんと42団体もの団体が取り上げたこの作品を全て収録
作曲者自身からの各団体の演奏を聴いてのコメントも公開中
収録曲 メルヘン(作曲家:酒井格によるコメントが到着)
【Disc.1】
テンポの速いところが、ただ速いだけでなく、細かい音の流れが明確で、様々な楽器のキャッチボールが見事。テンポがゆったりしたところのハーモニーも美しく、転調した時の響きの変化も鮮やかです。[G]からのホルンの力強い音色も魅力的です。[L]もとても良いテンポでチャーミングなニュアンスが印象に残りました。
ブラスセクション、とりわけトランペットの艶やかな明るい音色が魅力的です。アルトサックスのソロも透き通った上品な音色も素敵です。ワルツ直前のアダージョのオルガンのような響きもうっとりします。[M]以降の木管楽器がブラスセクションに埋もれず、キラキラと浮かび上がって、とても華やかなエンディングでした。
冒頭のトランペットとトロンボーンのユニゾンがとても華やかです。[B]への移り変わりでは二つの異なる世界がうまく同居していて面白いです。[D]からの流れにとてもワクワクさせられ、48小節の2拍目に頂点に達するところの小太鼓の前打音は素晴らしいセンスで最高です。エンディングもハーモニーが本当に華やかです。
中低音セクションのサウンドがとても安定していて、安心して聞ける「メルヘン」でした。アルトサックスのソロも暖かく豊かな音色です。[G]からのホルンも力強い世界から優しい世界への移り変わりが見事。そして小太鼓をはじめとする打楽器セクションの音色がとてもクリアで、バンドをしっかりリードしています。
十分華やかなサウンドで始まり、5小節目に向けてどんどんと輝かしくなっていくのに、すっかりハートを掴まれました。5小節目の2拍目のベースは、これほどまで力強く拡がりのある音を響かせられるものなのですね。ゆったり目のワルツも個性的。ブラスセクションの華やかさにさらに煌めかせるかのようなピッコロの響きも素敵。
力みすぎることなく、一つ一つの音を丁寧に演奏しています。特に転調してもハーモニーが不安定になることなく、メロディーだけでなく、しっかりハーモニーを感じてくれていることが嬉しいです。打楽器が要所要所でとても良い仕事をしていて、[K]からのティンパニのクレッシェンドには、大きな広がりを感じます。
軽快なテンポが心地よく、ゆったりした部分ではアルトサックスの表情豊かな音色が印象に残ります。タンバリンやトライアングルなど、いわゆる小物打楽器がバンドをしっかり彩ってくれています。ベースパートも色々なニュアンスを持っていて、ワルツの部分では思わずベースセクションに耳を持っていかれました。
なんて素直な息遣いなのでしょう!特にクラリネットとサックスのまっすぐに響く音が透明で音楽の構造を際立たせてくれています。転調もさりげなく、でも新しく現れる音が常に新鮮に聞こえます。またテンポの移り変わりもとても自然で、なによりワルツの後半の美しいこと!特に66小節目のハーモニーにキュンとなります。
冒頭から華やかなサウンドに引き込まれました。そして一転、ゆったりしたアルトサックスのソロ。そこから[G]に向けての展開が見事で、曲想が移り変わるたびにワクワクさせられっぱなしでした。テンポの早い部分はとにかく鮮やかで素晴らしいのですが、私のお気に入りは25~27小節にかけて。本当に美しくてうっとりします。
テンポが速いところも、ゆったりしたところも、常に歌心が大切にされた演奏でした。必要以上に音を短く切らず、音のつながりが大切にされていて、全体に暖かい空気を纏っているように感じました。[G]のあと、Adagioからワルツへ移り変わる部分がなんとも美しく、64小節目の歌い回しもこだわりを感じます。
パワフルで、おおらかで、のびのびとしていた。そんな印象を受けます。特に[K]以降にこのバンドの良さが現れています。堂々として、なんか頼りになる、頼もしい、音色や音楽作りからそんな言葉が次々に思い浮かびます。ワルツの部分では暖かい、優しい、そんな言葉も思い浮かぶ、そんな丁寧さもある素敵な演奏です。
私がこの曲に隠した宝物を全て見つけてしまったかのような、バランス感覚がとにかく見事な演奏。もちろん華やかでもあり、美しい音色だけれど、それに加えて何か言葉にするなら、知性が溢れた演奏。テンポは楽譜に忠実で、余計なことは何一つしていない。でも楽譜に書いてあることは全てあるのがただただ凄い!
この曲のテンポが速いところで1小節を4つで振るか2つで振るか、興味深いポイントの一つですが、土屋先生の指揮は部分的には一つ振りだったような…そもそも拍を合わせるための指揮ではなく、この曲の世界観をどのような音で描くかを伝える指揮でした。バンドが一つの楽器のように響き渡り、一体感がとにかく素晴らしいです。
冒頭から眩しいくらいの華やかな響きに圧倒されました。18小節目の鮮やかな転調、32小節目の流れ星のようなクラリネットの響きが聴いていて本当に楽しくなります。しかしなんと言ってもTuttiのサウンドがゴージャス。[F]や[K]そしてエンディングの響きは、爽快感に溢れています。
華やかな演奏であると同時に、要所要所での繊細な表現が丁寧なのが嬉しくなります。道端に咲いている小さな花も愛情を込めて描かれているかのような、木管楽器の細かなパッセージや小物楽器のクリアな響きが素敵です。でもなんと言ってもワルツの後半で平行調に移り変わる時、音色の変化にギュッと心を掴まれてしまいました。
ウキウキした時には自然と歩くのが速くなってしまうのは当然かもしれない。そんな自然な気持ちが演奏(特に40,41小節目)に表れているように感じました。その他の部分もテンポの移り変わりが自然で、無理して合わせようとせず、自然に合うことを大切にしているのかな?と感じました。
フォルテはパンチのあるアタックが爽快で瑞々しさに溢れ、ピアノの柔らかい響きとのコントラストが見事です。[D]からはメロディーを支える半音階進行がしっかり意識されているのも嬉しい。ワルツの後半で平行調へ転調する箇所も丁寧に演奏されていて、とても印象に残りました。
全体に少しふわっとした音色で、どこか夢を見ているような「メルヘン」でした。37や72小節、ワルツ手前の55,56小節目では特にそんなふわっとした音色がこの曲にマッチしていました。また全体のテンポの変化がとても自然で無理がない、と言うのもリラックスして聴ける大きな理由かもしれません。
華やかで軽快な演奏だけれど、要所要所でどっしりとしたベースが頼もしく、48小節目2拍目のどっしり感は最高。シンバルと大太鼓、小太鼓のコンビネーションが凄く良い仕事をしていて、この部分だけループして何度も聴いてしまったほど。90,91小節のaccel.も抜群に上手です。
細部まで隙のないスマートなメルヘン。低音の倍音が心地よく響く豊かなフォルテ。広い空間でも澄んだ響きのピアノ。噂に違わぬ美しい響きに溢れた演奏でした。転調しても全く乱れることのないソルフェージュ。90,91小節の木管楽器が終始クリアに聞こえてくるバランスの処理も完璧。ただただ上手い。
なんて溌剌とした演奏!高性能なスポーツカーで街中を優雅に走るのも良いけれど、やはりサーキットで車の性能をめいっぱい使ってなんぼ。そんなドキドキワクワクする冒険映画を見ているかのような気分にさせてくれる演奏。一方でワルツではロマンチックな表情を見せてくれたり、メリハリのある世界が心に響きます。
抜群の音色とバランスで、ハーモニーの構成音が大切にされている演奏。前半のクライマックスである[G]のホルンの力強い音色から、ワルツに向けて、空の色が移り変わるような音色の変化がとても美しく、続くワルツの後半で、さらに柔らかい響きになるところで、グッと来ます。エンディングも本当にHappy!
【Disc.2】
テンポの流れや曲想の変化、転調も含めてすべての流れが自然な演奏。40,41小節目や75?78小節のハーモニーもバランスが抜群。Adagioからワルツにかけて、アルトサックスの柔らかい響きを軸にサウンドが組み立てられているのも面白いです。
冒頭の華やかな世界から、一気に優美な世界に移り変わって、そしてまた軽快な冒険が始まって…そんな場面ごとのコントラストが見事。Allegroでも勢いに任せることなく、一歩一歩確かに歩んでいく丁寧な演奏だけれど、気がつくとぐいぐい進んでいる。90小節からのaccel.も大胆で面白い。
華やかな冒頭に続いて、一気にそれぞれのバンドの個性が現れるアルトサックスのソロ。最後の7連符がrit.しつつも軽快で素敵です。小太鼓が常にクリアな音でバンドをリードしているのも気持ち良いです。89小節目でベースがcresc.する時の音色がなんともパワフルで頼もしいです。
fの華やかさが抜群だけれど、それに増してppの響きがなんと表情豊かで美しいことか。ある時は優しく、ある時は軽やかだったり。そんなピアノの表現が大切にされているから、48小節からのffが最高に輝いています。ワルツの後半はハッとさせられるほどのpp。私の「好き」を知り尽くした演奏に、思わず涙が出そうでした。
なんともゴージャスなサウンド。あらゆる宝石が散りばめられたお城の中にいるような贅沢な気分に。テンポがゆったりしたところは、存分に時間を使って、音量は小さくても音の響きは常に豊か。ffになってもハーモニーは濁ることなくつねにクリアなのがさすがです。
華やかな冒頭に続いて、ロマンチックなアルトサックスのソロ。この時点ですでに文教大学の、と言うか佐川先生独特の歌い回しが炸裂。テンポの速い部分では全体に音を短く切っているのだけれど、それらがしっかりつながってフレーズを作っているのがさすが。そして32,105小節のクラリネットが上手すぎて、参りました。
5小節目で「おいおい」と言うくらいテンポを落としたり、でもこだわりを持って演奏してくれるのはありがたいことです。ワルツも1小節目でしっかり時間を使って2小節目から動き出す感じですが、これは嫌いじゃないです。 全体に小太鼓がクリアな音とリズムで、バンドのサウンドを引き締めているのに好感を持ちました。
一言で表すなら「鮮やか」。冒頭の華やかな世界から、ロマンチックなアルトサックスソロへの移り変わり、場面ごとの音色の対比が実に見事です。ブラスセクションの華やかさもさることながら、木管楽器のクリアな響きも抜群です。3小節目ですでに「おっ」となりましたが、コーダの16分音符がこれほどくっきり聴こえるとは!
とても明るい、のびのびとした、何より楽しい、と言うかバンドの名前の通り「ゆかいな」演奏。アンサンブルも素敵で曲の流れもとても自然でバンドの一体感も素晴らしい。無理やり合わせているのではなく、自然と同じ方向を向いている演奏に、市民バンドの理想形のひとつであるように感じます。
決して器用ではなく、少々無骨にも思えるサウンドだけれど、ひたむきに音楽に向き合う姿に、いつの間にか引き込まれてしまいます。つるつるスベスベではなく、骨ばった暑い皮で覆われた職人の手のような、そんな音から生まれる音楽は、どこまでも誠実で、音楽の骨格や構造がしっかりと伝わってきます。
スラーをつけていない音をどの程度分離して演奏するか、バンドによって様々でしたが、ある意味私がもっとも自然に感じる音のつながりでした。骨太で重厚なサウンドが魅力なバンドではあるけれど、ワルツは少し速めのテンポで可憐な雰囲気を作っていたり、新たな魅力が備わってきているのを感じました。
決して100%うまく行ったわけではなかったかもしれないけれど、各場面のテンポや音色のイメージをはっきりと持っていて、それに向けて練習を重ねてきてくれたんだと思うと、本当にありがたい話です。37,72小節や55,56小節の音色がとても美しいです。
メルヘンという広い世界の一つの形を、圧倒的なエネルギーで描いてくれた演奏。指揮者の冨田さん曰く「巨人」をイメージしたのだそう。このバンドの持っている音色が存分に生かされた演奏に、良い意味で驚かされました。短い曲なのに、力強さと優しさが無限に広がっていくような懐の広さに感動します。
メンバー一人一人の技術の高さを改めて感じると同時に、プライドの高さも感じます。この集団を相手に指揮をするのも一筋縄ではいかないだろうけれど、若く勉強熱心な三原さんのひたむきな思いがバンドによく伝わっているように思えます。[G]から[H]にかけての時間の使い方が贅沢で抜群の安定したサウンドがさすが。
華やかな音色と優しい音色の対比がしっかりした、王道の演奏。12小節や32小節のように、前のフレーズにかぶさるように、メインテーマが新しく現れる部分のアンサンブルが見事です。音の響きに立体感が生まれて、構造的な広がりを感じさせてくれるのが嬉しい。もちろん[J]も見事。
録音の関係か、アルトサックスの音がずいぶん大きく聞こえるけれど、これはこれで面白い記録になりました。ワルツの奇数小節目に重心がかけられたり、[M]の前でaccel.がかかるのも新鮮。他のバンドにはないアプローチが興味深いです。バンドの実力も高く、36,38,97小節でトランペットの確かな技術も窺えます。
会場で聴いた時にも感心したのですが、打楽器の音がとにかく表情豊か。シロフォン、グロッケン、そしてトライアングルの澄んだ音色!11種類すべての打楽器の音色が魅力的でした。もちろんバンド全体の実力も高く、華やかで優雅で、可憐でもありミステリアスでもあり、そして48小節のシンバル大太鼓が最高。
ゆったりした部分で停滞しすぎないテンポのルバートが絶妙です。22小節からの木管楽器の音色が美しく、32小節のクラリネットのスケールや、37小節の夢見るような響きなど、随所にチャーミングな魅力を感じました。。92,93小節の喜びを抑えきれない表情も素敵です。
華やかな音色だけれど、テンポは少しどっしり目。高度な技術集団で一切の隙がない演奏をするバンドと言うイメージだったけれど、ちょっぴり人間的な部分もあってホッとするところも。メンバー一人一人の技術力も高いのだろうけれど、アンサンブルも丁寧で、71小節以降は完璧すぎる見事な演奏。参りました。
「メルヘンは面倒臭い」と演奏前に声をかけてくれた伊藤先生。絶対組み立てるのが大変そうなプラモデルを開封した時の少年の目をしていました。作曲家ならではの音楽の組み立て方で、共感するところの多い演奏でした。ワルツの始まりが思いがけないテンポでしたが面白いです。指揮にしっかり応えるバンドも素晴らしい。
演奏データ
第72回全日本吹奏楽コンクールより
全国大会で演奏された課題曲委嘱作品「メルヘン/酒井格」42団体を収録