ユニヴァーサル・バンド・コレクション／ヤコブ・デ・ハーン【吹奏楽輸入楽譜】

作曲：ヤコブ・デ・ハーン(Jacob de Haan)
演奏時間：10:37（約）
グレード：2
編成：吹奏楽
楽曲構成：全5曲
1. Western Girl（ウェスタン・ガール）
2. Just a Ballad（ただのバラード）
3. Play the Game（ルールを守って）
4. San Diego（サンディエゴ）
5. Final Dance（最後のダンス）

この作品は、ポップスタイルの短い楽曲5曲を集めたもので、どんな編成の楽団でも演奏できるように作られています。各曲は単独でも演奏できますが、「ユニバーサル・バンド・コレクション」として組曲のように通して演奏することも可能です。
教育的な観点からも優れており、音楽の構成を学ぶのに適した作品です。大きな構造だけでなく、小さな構成のまとまりもはっきりと示されています。
以下に、それぞれの曲の簡単な解説を日本語で紹介します。

1. Western Girl（ウェスタン・ガール）
アメリカ西部の少女が、草原を馬に乗って駆けながら、自分の未来を夢見る様子を描いています。
構成は以下のようにシンプル：
導入 → ブルーススケールによるテーマ → 別の楽器編成で同じテーマ → フィナーレ

2. Just a Ballad（ただのバラード）
ポップスタイルのバラードで、基本的なA-B-A形式です。
A：主題の導入　
B：マイナー調のテナーメロディが登場し、リズムに主題の要素を含む
A’：主題が全員で演奏され、ドラムのリズムが変化

3. Play the Game（ルールを守って）
英語の言い回しで「フェアに戦おう」という意味。テンポの速い遊び心のある曲で、ゲームの多くが今や中国で作られているという現代的なユーモアも含まれています。
こちらもA-B-A構造になっています。

4. San Diego（サンディエゴ）
アメリカで自由を謳歌するメキシコ人の逃亡者が、故郷を懐かしむというテーマ。
哀愁のあるマイナー調のメロディが流れ、リズムは現代風のビート。
2回繰り返されるメロディは、2度目は編成が少し変わり、ミュート・トランペットがメキシコの雰囲気を表現しています。

5. Final Dance（最後のダンス）
最後はダンスで締めくくられます。導入部はルネサンス風、その後はロックスタイルの速いダンスになります。
伝統的なポップソングの構造に則っています：
導入 → ヴァース → ブリッジ → コーラス → 短いヴァース → ブリッジ → コーラス → コーラス

全体を通して、ポップ音楽の基本的な構成を理解するのに適した内容で、演奏者が音楽の「組み立て方」を体感できる作品となっています。