
楽曲詳細情報
- 作曲者
- アストル・ピアソラ(Astor Piazzolla)
- 編曲
- 小林 聡(Satoshi Kobayashi)
- 演奏時間
- 5分45秒 (約)
- グレード
- 4
- B.Cl.最低音
- Low Ais (実音)
- 編成
- クラリネット4重奏
- 販売形態
- 販売譜(スコア+パート譜)
楽器編成
- 1st Clarinet in B♭
- 2nd Clarinet in B♭
- 3rd Clarinet in B♭
- Bass Clarinet in B♭
楽曲解説
アストル・ピアソラ(1921-1992)は、1969年にこの「アディオス・ノニーノ」を作曲した。タンゴに限界を感じて渡仏し、パリでの作曲の師ナディア・ブーランンジェから自らの進む道が、タンゴの革命にあると諭された数年後のことだった。彼はイギリスのBBCの番組の中で次のように語っている。
「ノニーノとはイタリア語で"おじいちゃん"という意味だ。私の子供たちは私の父親をノニーノと呼んでいた。それで父が亡くなった時にアディオス・ノニーノ(さよならおじいちゃん)という曲を書いた。この曲がレクイエムの様であるという所以だ。」
この楽譜は、アイリス・クラリネット・カルテット(岡村理恵、岩井由加里、小田美沙紀、藤井香織)の委嘱により編曲し、2010年10月3日に名古屋、電気文化会館 ザ・コンサートホールにて演奏された。
【曲の構成】
- Allegro ma non troppo(1-21)
- 2,4拍がかなり大げさに強調されている。上行する旋律。決然とした音形に続く下降する半音階の中に不安を感じさせる動機。
- Adagio-Andantino-Andante(22-53)
- 愛情溢れる叙情的な旋律。5度、6度の跳躍が胸を締め付けるような思いを抱かせる。
- Allegro(54-78)
- 冒頭の主題の再現。長三度上の調。音形も細かくなり一層の緊迫感に満ちている。4回の半音上昇の転調を経てクライマックスを迎える。
- Adagio(79-93)
- 第2主題の再現。しかしこの部分ではテンポアップせず、むしろ重く引きずるような動機。
- Allegro(94-107)
- 第2主題が情熱的な速さで現れ、劇的なアッチェルランドで、混沌とするうちにこの情熱を打ち砕くかのような響き。
- Adagio(108-116)
- 冒頭の主題の断片のみが現れる。やがて息が絶えるように重く沈んでゆく。
【演奏上の注意点】
79小節からの1st Cla.はアドリブです。拍にとらわれずに自由に。バスクラリネットはLow Cの楽器で演奏する事が望ましいですが、ない場合には、音域外の音を1オクターヴ上げて演奏してください。
(小林 聡)












