作曲：デイヴィッド・マスランカ(David Maslanka)
編成：サクソフォーン4重奏
楽曲構成：全6曲
1. Overture
2. Chorale: Wo soll ich fliehen?
3. Aria (In the Style of a Chorale Prelude)
4. Chorale
5. Aria
6. Finale

Bb Soprano Saxophone
Eb Alto Saxophone
Bb Tenor Saxophone
Eb Baritone Saxophone

デイヴィッド・マスランカの『マウンテン・ロード』は6つの楽章からなり、バロック時代のカンタータの形式に基づいて作曲されています。
この作品はJ.S.バッハによる2つのコラール旋律、「すべての人は死ななければならない (Alle Menschen mussen sterben)」と「私はどこに逃げるべきか？ (Wo soll ich fliehen?)」を中心に展開します。これらの旋律は、曲の進行の中で完全な形や変奏として登場します。
タイトル『マウンテン・ロード』は、作曲者が見た夢に由来しています。その夢では、新しい道を舗装する作業を手伝っており、目覚めたとき、それが新しい人生を象徴する比喩のように感じられたと語っています。
この作品では、死を明確にテーマにしたコラールを「歓喜に満ち、心を高揚させる」音楽として描くことで、死の不可避性というパラドックスを認めつつ、その認識が人生を「深く甘美でありながら深く悲しいもの」にすることを表現しています。また、作曲者は「その先にある何か」への前進を示唆しています。
『マウンテン・ロード』は、和声的・旋律的に「D」の音を中心に構成されています。ただし、これは伝統的なD長調やD短調の調性ではなく、「D」という音を音楽が回転する極として扱っています。
この作品を委嘱したカルテットは、作曲者の許可を得て、半音低い「Db」を中心にしたバージョンを制作しました。
この移調版（WE43）も利用可能です。