
楽曲詳細情報
- 作曲
- ハーバート・ハウエルズ(Herbert Howells)
- 演奏時間
- 18:00(約)
- 編成
- オーボエ&ピアノ
- 収録曲
- 編集:ピーター・ディキンソン、サラ・フランシス(Peter Dickinson & Sarah Francis)
楽器編成
Oboe, Piano
楽曲解説
《オーボエ・ソナタ》は第二次世界大戦中の1942年に作曲され、手稿譜には「1942年8月27日 ロンドン」と記され、名オーボエ奏者レオン・グーセンスへ献呈されています。
しかし、ハウエルズ自身がこの作品に確信を持てなかったため演奏されることはなく、手稿譜も後に所在不明となりました。
幸い、1978年にハウエルズの研究書を執筆したクリストファー・パーマーが手稿譜の複写を残していたことで作品は失われず、完成から42年後にようやく初演されました。
作曲当時、ハウエルズはロンドンのセント・ポール女学校で音楽監督を務めるとともに、ケンブリッジ大学セント・ジョンズ・カレッジのオルガニストとして活動していました。
やがて数多くの英国国教会の典礼音楽を手掛けることになりますが、その創作の根底には、大聖堂や礼拝堂に響くオルガンの音色、即興演奏の伝統、そしてモード(教会旋法)、イギリス民謡、グレゴリオ聖歌、テューダー時代の音楽様式を融合させた独自の音楽語法がありました。
このソナタにも、そうしたハウエルズ特有の叙情性と瞑想的な世界が色濃く反映されています。
全4楽章から成りますが、第1・第2楽章、第3・第4楽章はそれぞれ切れ目なく演奏され、作品全体を通して主題がさまざまな形で再現されることで、高い統一感が生み出されています。
第1楽章では、主要主題がピアノに静かに現れ、続いてオーボエがそれを受け継ぎます。主題は民謡のように変化を重ねながら展開され、リズミカルな第2主題とともに壮大なクライマックスを築き、静かに締めくくられます。
第2楽章〈Lento〉は、持続するピアノの和音の上に、オーボエが民謡風の新しい旋律を歌い始めます。この旋律はイオニア旋法を基盤としており、やがて第1楽章の主題が回帰して中間部を形成します。最後はオーボエが下降し、ピアノが上昇する穏やかな響きの中で静かに閉じられます。
第3楽章はスケルツォで、オーボエのカデンツァを含む躍動的な音楽が展開されます。頻繁に変化する拍子や7/8拍子の使用など、当時としては意欲的な試みが見られ、これが作曲者自身の迷いにつながったとも考えられています。
終盤では、第1・第2楽章の静かな音楽がエピローグとして回帰し、第4楽章を形成します。作品全体を回想するような穏やかな締めくくりとなり、ソナタ全体がイ長調を中心とする調性の中で静かに統一されます。
イギリス音楽ならではの気品と詩情、そして深い精神性を備えたこの作品は、ハウエルズ晩年へと続く作風を象徴する重要な室内楽作品の一つです。











