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連載:アンサンブルの作り方 - 広瀬勇人

アンサンブルの作り方:広瀬勇人 第2回「人数の少ないバンドの編成組みと選曲」

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こんにちは。作曲家の広瀬勇人です。

前回は「編成組み」を見てみましたが、第2回は特に人数の少ないバンドの編成組みと選曲に関して詳しく見てみましょう。

 

 1,2年生のみで10~15人、或いは10人以下など、人数の少ないバンドは、アンサンブルの編成組みの選択肢が少なく悩みも多くなると思いますが、基本は同じなので、「第1回 編成組み」でもう一度編成を組む際のポイントを見て頂けると良いです。
ここではさらに、人数の少ない編成のバンドにありがちな問題とその解決策の例を見てみます。

楽器の選択による解決策

●問題例1:低音楽器が足りない
全体の人数が少ない分、編成組みの際に低音を担当する楽器が足りないというケースがあります。トロンボーンやユーフォ二アム等のテナー楽器で低音パートを演奏しても良いですが、出来ればサクソフォン1人をバリトン・サックスに回して(或いはクラリネット1人をバスクラに回す)、いわゆるバス楽器を増やせると良いでしょう。

バリトン・サックスは音色的に木管とも金管ともよく溶け合い、また金管楽器に負けない低音の音量を出すことが出来るので、木管系、金管系、混合等、どのアンサンブルに入っても低音のしっかりとしたサウンドを作ることが出来ます。(クラリネットをバスクラに回す場合は、音色・音量が他の楽器に埋もれてしまいがちなので、バスクラの配置をステージ一番上手(向かって右側)に配置すると、低音が聴こえやすくなるので良いでしょう。)


●問題例2:トランペットの高音が苦手、すぐ疲れる
特に「金管系」フレキシブルのグループでは、音域的にトランペットが主旋律のパートを担当することが多いのですが、トランペットの生徒が、高音が苦手ですぐ疲れる等、その様なパートを割振るのが難しいケースがあります。その場合、サクソフォンの生徒がソプラノ・サックスで(曲によってはそのままアルトで)そのパートを演奏しても良いでしょう。

ソプラノ・サックスは金管楽器と音色が良く溶け合い、音量も大きく、速い動きや高音域も比較的安定して長時間吹くことが出来るので、フレキシブルの主旋律パートとしてとても重宝される楽器だと思います(ただ音程が低くなりがちなので、注意が必要です)。またその分、トランペットの生徒を音域的にやや低い、負担の少ないパートに回すことが出来ます。

この様にサクソフォンやクラリネットなど木管楽器の場合、アンサンブルに取り組む数ヶ月間だけ普段と違う同族楽器に割振っても、運指が同じで奏法上も無理がなく、新しい楽器に比較的適応しやすいので(もちろん本人が同意した場合に、ですが)、人数の少ないバンドの編成解決策の一つとして良いと思います。

一方で、金管楽器でトランペット⇔ホルン⇔トロンボーン⇔テューバなどという楽器変更は、マウスピースの大きさが異なり、アンブシュア(唇の当て方、震わせ方)自体が変わってしまうので、生徒本人が希望した場合は良いのですが、そうでない場合は解決策の選択肢にあまり入れない方が良いでしょう。

選曲による解決策

●問題例3:人数が少なく、楽器バランスが悪くても他に選択の余地がない
例えば、全体の人数が10人以下で、楽器バランスが悪いのは分かっているが、人数が少なくて選択の余地がない、この楽器でアンサンブルをやるしかないというケースがあると思います。その場合は、以下の様なタイプの曲を選んで、選曲でバランスの悪さをカバーすると良いと思います。

① いくつかの旋律が重なる様に作られているタイプの曲

複数の旋律が折り重なって音楽が作られているので、旋律同士の音色の違いが目立たず、逆に音色の違いが旋律の個性となって音楽上プラスに働く(ただ、場面ごとの吹き方や音量は寄せ合う必要がある)。


「コタンの雪」福島 弘和(フレキシブル8~11パート)
「コタンの雪」スコア
「ふたつの伝承歌」高橋 宏樹(フレキシブル5~6パート+打楽器)
「ふたつの伝承歌」スコア
② 打楽器が単独でリズムを刻み、管楽器がかたまりで動く場面の多い曲

管楽器がかたまりで動いているので、中身の音色の違いがそれ程気にならない。
また、打楽器がリズムを刻んでいるので、経験が浅い奏者でも音楽上の間が持ち、形になりやすい。


「天の剣」福田 洋介(フレキシブル6パート+打楽器)
「コタンの雪」スコア
「波を越えてはるかに」後藤 洋(フレキシブル5パート+打楽器)
「コタンの雪」スコア

これらの様な曲は他にもあると思うので、いろいろと探してみると良いでしょう。

今回のポイント!

人数の小さいバンドのアンサンブル編成組みは、編成組み全般の基本ポイントを踏まえた上で、状況に応じて以下の様に工夫すると良いでしょう。


●楽器の選択を工夫する(状況に応じてサクソフォン等木管楽器を普段と違う同族楽器に設定する)
●選曲を工夫し、編成バランスの悪さが目立たない曲を選ぶ


次回第3回は、選曲が終わって楽譜が届いた後の「楽曲の理解」(役割の整理、アナリーゼなど)について詳しくみてみましょう。

(広瀬勇人)

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