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投稿エピソード#04

福光町立吉江中学校 山田誠先生/リバーダンス・ブームを生んだ名演の裏舞台とは?

選曲の理由/選曲時のエピソード:私たちの心を鷲づかみにしたケルト音楽

  当時、ケルト音楽に傾倒していました。『リバーダンス』を演奏する前年に『ケルトラプソディ』で全国金をいただき、満を持しての『リバーダンス』の選曲となりました。ケルト音楽の特徴は、心に染み入る抒情的な旋律にありますが、タップを踏むための激しいリズムの旋律も大きな特徴です。この対照的で明快な構成が私たちの心を鷲づかみにしたのです。

 

  アイルランドのタップダンスチーム『Riverdance』が日本公演を行うとき、東京や大阪などの大都市に加え、必ず富山でも公演してくれるのは、私が全国初演で『リバーダンス』を演奏し、その面白さを広めたからだと自分勝手に思っています。

 

練習時の苦労話:色艶に満ちた表現の探求。そして試練の後半部。

  前半の抒情的な旋律は和音構成が複雑で、バランス調整に相当苦労しました。原曲は歌(合唱)で表現されているので、英語の歌詞を部員たちで訳し、楽器によってどんな表情で演奏すればよいのか考え抜きました。必要以上にダイナミクスを豊かにし、中学生には難のある色艶に満ちた表現を探り続けました。

 

  後半は木管楽器が息つく暇のないくらい速いパッセージが続きます。部員数が少なかったので途中でサボる訳にいかず、子供たちは泣くような思いで吹き続けていました。

 

当時のバンドについて:強いプレッシャーを乗り越え―

  前々年、前年と全国金をいただいていたので、当時の部員たちは想像に絶するほど強いプレッシャーを感じていました。そのせいか部員同士でギクシャクした面もあり、北陸大会当日の朝、あるパートであまり仲の良くない2年生と3年生がチューニングをせずに合奏に臨んだのです。当然音程は会わず、それに気付いた私は激しく叱責し、「お前たち2人は北陸大会に連れて行かない。帰れ!」と突き放しました。学校出発ギリギリになって2人が目を赤くはらして「連れて行ってください。」と謝りにきました。この2人がいないと全国金はあり得ないほど重要なソロをもっていましたので、私は心の中で『セーフ』と安堵しました。北陸大会では2人ともいつも以上に見事にソロを吹き切りました。

 

本番時のエピソード:アクシデントからスイッチを切り替えた結果―

  実は、課題曲(『平和への行列』)の冒頭で、ホルンが大ミスをしたのです。ホルンパートは部内で最もしっかりしたパートで、練習時ではミスることは殆どなかった部分です。私は「あーっ、おわった。」と思いながら指揮をしていました。が、それでかえって肩の力が抜けたのだと思います。自由曲『リバーダンス』では、当たって砕けろ的な思いでタクトを振り、いつも以上に伸びやかな演奏になったと感じていました。課題曲のマイナスと自由曲のプラスで差し引き0のほどよい成果となって表れた金賞だったのでしょう。

 

メンバーのその後:ソロコンテスト会場で驚きの再開―

  ある年、富山県のソロコンテストの審査をしていた時、「なかなか上手なフルート奏者だな。」と思いながら評価を進めていました。その子がコンテスト後、「先生、お久しぶりです。」と挨拶しに来たので、まじまじと顔を見ると教え子だったことに気付きました。音大で学んでいると教えてくれましたが、実はその子、「お前ら2人は北陸大会に連れて行かない。帰れ!」と突き放した子の一人でした。目を赤くはらして泣きながら謝りにきた子が、素敵なドレスを着て、難曲を見事に吹きこなす姿など想像もしていませんでした。驚きとともに何とも言えない嬉しさがこみ上げてきました。

 

その他:生駒中学校との友情―

  吉江中学校の全国3金と同時期に、奈良県の生駒中学校も全国3金を達成されました。当時指導しておられたのは牧野耕也先生です。吉江中と生駒中の音楽づくりの方向は全く違っていました。吉江中は「大胆に歌い上げる」、生駒中は「緻密にサウンドを構築する」という感じです。この違いが互いにひかれ合う要因となり、交流を図る機会をもちました。生駒中の皆さんに吉江中に遠征してもらい、ホームステイをしながら、ジョイントコンサートを行いました。入場は無料。今考えれば、当時の中学校にしては最高レベルの演奏会だったので、無料は太っ腹だったなと思います。その後牧野先生は全国の常連になられましたが、ご病気により惜しまれつつご逝去されました。朴とつながらも妥協を許さない牧野先生の指導姿勢が私は大好きでした。

 

 





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