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2019小編成レパートリー徹底解剖!

第一回「白雪姫セレクション/F.チャーチル(高橋宏樹)」:国本女子高校・鈴木文雄先生

いよいよ発売の迫る小編成レパートリーVOl.12「火の伝説」。

どんな作品? 聴きどころは? 演奏するときは何に気をつけるべき?

などなど、新曲の魅力・ポイントを現場の先生に紹介していただきます!

CD「火の伝説」詳細はコチラ

生徒と先生の距離を縮める作品

作品紹介という本題に入る前に少し余談です。昨今話題となっている部活動時間削減の問題は、良くも悪くも新たな活動体制を模索する機会になると思います。選曲においても「その曲を演奏する目的」がよりシビアに問われる気がしています。「お客さんに喜んでもらう」ことのみならず、「その曲を通じて、指揮者(顧問)と演奏者(生徒)が何を学び、何を共有できるのか?」といった要素まで含まれるでしょう。


さて、それでは作品の紹介に入りましょう。 "白雪姫セレクション"このタイトルを聞くだけでワクワクしますね。いつの時代も青春にある"夢の国"が目前に浮かびます。編成のサイズに関係なく、純粋にその音楽を演奏してみたいと思わされる作品ではないでしょうか。

7曲をどう構成して聴かせるか?

7つの作品によるセレクション。どの作品も印象的なシーンが目に浮かびます。ですが、ミュージカルや歌劇ものを演奏するとき、その場面場面の音楽に集中しすぎると全体の構成を見失いがちになることがあります(盛り上がり・落ち着きはどこに置く?)。この作品では「いつか王子様が(Someday My Prince Will Come )」が冒頭と終盤に構成されています。陽気な場面も中間部に多く取り入れられていますので、弱奏部・音楽の底(落ち着く場面)をどう作るか入念に検討する必要がありそうです。

取り組みやすい難易度・アレンジ

非常に取り組みやすくアレンジされています。音域・指回し・和音ともに難易度を抑えてある印象です。しかし内容は主旋律と対旋律・合いの手のバランスが絶妙で、一本一本、各パートが際立つ配分。特定のパートが埋もれないバランスでアレンジされています。どの楽器にもバランスよく役割が割り振られていますので、オーソドックスな編成であれば少人数からでもアンサンブルしやすいと思います。

―この作品に取り組む目的

冒頭に申し上げた「どのような目的で演奏するのか」に関して。ロングトーンやタンキング練習に代表される基礎練習・基礎合奏では、「イメージ共有」が難しいという問題をいつも感じます。指導者の経験した音楽と、生徒が考えて演奏する音楽には多かれ少なかれ乖離があります。(私はその乖離を埋めるために自分自身楽器を使い伝えることを積極的に取り入れています。)

映画音楽であるこの作品では、指揮者と演奏者の間に目に見えるイメージ(画・映像・ストーリー)を介在させることができます。さらに良いことに、演奏難易度もそれほど高くないため、長時間の個人練習ではなく合奏で作品を共有しながら仕上げていくことが可能でしょう。「この場面は、こういうシーンで、こういう歌詞なので、こんなアーティキレーションで、こういうダイナミクスで表現したい。」そんな風にして音楽の作り方を指揮者(顧問)と演奏者(生徒)で理解・共有しやすいのではないでしょうか。


顧問と生徒が多くのコミュニケーションをとりながら合奏し、作品を仕上げていく、そんな取り組み方ができる作品です。この作品を通して生徒と先生の距離が少しでも縮められたら、さらに素敵な演奏に繋がると思います。

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筆者プロフィール

鈴木文雄(国本女子中学校高等学校 教諭)

千葉県出身。東京音楽大学音楽学部器楽科トランペット専攻卒業。トランペットを津堅直弘氏に、室内楽を山本孝氏に師事。現在、国本小学校、国本女子中学校高等学校吹奏楽部顧問。2010 年より国本女子中学校高等学校にて指導を始め、東日本学校吹奏楽大会2回出場、日本管楽合奏コンテスト5回出場。

(国本女子高校・鈴木文雄先生)

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