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教えて田川先生!木内先生!【小編成 選曲編③】

2024年1月17日
小編成レパートリー・コレクション Vol.17

小編成~中編成バンドのコンクール自由曲にピッタリな9作品を2024年1月にリリース!

新発表の9作品全ての参考演奏を公開&音源は各種音楽サイトよりデジタルリリースとなります!
新作について選曲アドバイスを、バンド指導者として全国の現場をサポートし続ける先生方に伺いました。
演奏協力:陸上自衛隊中央音楽隊
配信作品

ラ・レーヌ・ヴィクトリア ~バルモラルの記憶~/樽屋雅徳

Q.どんな曲ですか?教えて田川先生!

⇒譜面はGr.2.5で非常に取り組みやすいが、演奏すると奥深さや独特の曲想、感動的なクライマックスに魅了されます。

田川伸一郎先生の解説

 イギリスのヴィクトリア女王の生涯をテーマにした楽曲で、「ラ・レーヌ・ヴィクトリア」とは、女王に捧げられたフランス作出のバラの名前です。
 樽屋雅徳氏の腕が光るこの楽曲は、18名程度の少人数から大編成まで幅広い編成のバンドに演奏出来るように書かれており、導入部と終曲部は、美しく雄大なコラール風な曲想。
主部は、小さな間奏を挟んで、ルネサンス舞曲風の音楽が2種類奏でられます。この舞曲風の部分は快速なテンポですが、2/2拍子で書かれているため、楽譜が大変読みやすく、しかもユニゾンや同じリズムの重なりが比較的多いため、練習時間が少ないバンドでも演奏しやすいと思います。また、リコーダー3重奏も加えられており、気品ある雰囲気が醸し出されます(木管楽器で代用可能です)。打楽器は3人で演奏出来、平易なリズムがほとんどなので、初心者でも基礎練習の延長線上で音楽性を培う勉強が出来るでしょう。
 楽譜を見た第一印象はとても平易な印象をお持ちになられるかもしれませんが、参考音源を聴くと、この楽曲の深さや独特の曲想、終曲部の感動的な世界観に魅了されることでしょう。

Gr:2.5/Time:7:30

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吹奏楽のためのバラード第1番「風雪の詠」/田村修平

Q.どんな曲ですか?教えて田川先生!

⇒小編成バンドの良さにもリスクにも配慮された、演奏効果の高い楽曲。

田川伸一郎先生の解説

 田村修平氏が、北海道の2つの中学校バンドからの委嘱で書き下ろした新作です。同氏の「遙遠の海」「湖月の神話」の続編として、中学生でも理解しやすく、演奏しやすく、17名程度から演奏出来る演奏効果の高い楽曲となっています。
深さを感じる静かな冒頭から厳しさの感じられる盛り上がり、そして、木管楽器の細かいパッセージと金管楽器の太いラインの対比で進む急速部、温かい緩徐部分、終曲は雄大で輝かしいファンファーレ的な楽想から、一気に急速なたたみ込みで終わります。対位法的に進む部分では、各声部の絡み合いの美しさが感じられ、急速部の木管楽器のパッセージはほぼユニゾンで動き、小編成バンドの良さにもリスクにも配慮した田村氏の愛情が感じられます。
調性感、和声感の色彩から表現を工夫する勉強もできますし、「風雪」を自然描写だけでなく「人生の風雪」と解釈すれば、生きる中での様々な困難や支え、愛情、勇気、決心などの心情について生徒と語り合いながら表現に反映させていくこともできるでしょう。 

Gr:3/Time:6:40

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月影の花 ~ウンゼンツツジに寄せて~/江原大介

Q.どんな曲ですか?教えて木内先生!

⇒打楽器・ソロ楽器・各パートが活躍し、少ない人数でも豊かな表現のできる曲!

木内恒先生の解説

 3楽章からなるこの曲は、雲仙市立小浜中学校吹奏楽部(部員数18人)のために2023年に作曲されました。少ない人数でも豊かな表現のできる曲です。打楽器はティンパニーと3rdパートがオプションで、それ以外は4パートになっています。和太鼓や締太鼓、風鈴、神楽鈴(スレイベルで代用可)など和楽器も大活躍します。冒頭のクラリネットの他、フルート、アルトサックス、テナーサックスにソロがあるだけでなく、すべての楽器が活躍できるよう工夫して作られています。この曲を演奏するためには様々なイメージ(静寂、一筋の光に照らされる花、月夜の山、夜明け等)をもつことが重要です。また雲仙の自然、信仰の歴史なども掘り下げていくと演奏に深みが増していくはずです。演奏上で気をつけたいのが♪(八分音符)の長さです。1楽章のCからTuttiで♪が連続しますが、スタッカートを意識しすぎるとブレスの入らない硬い音色になってしまいます。(この曲に限ったことではありませんが)短い音でもブレスしっかりと入れることが大切です。
 イメージを豊かにふくらませてしっかりと練習し、この曲の良さを感じてほしいと思います。

Gr:3.5/Time:7:00

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空海の旅/広瀬勇人

Q.どんな曲ですか?教えて木内先生!

⇒演奏技術や音域に配慮され、少人数でもバンド全体がよく響くよう工夫された作品!

木内恒先生の解説

 少人数とは思えないスケールの大きな曲で、演奏者は充実感を味わうことができる曲だと思います。オプションパートを加えれば大編成でも十分にその良さを感じられるはずです。打楽器は2人(3rdはオプション)で演奏可能ですが、できればSus.Cymは独立して演奏してもらいたいです(ソロもあり大活躍です)。また通常のバスドラムも可能なら入れていただきたいので、打楽器は4人いると演奏効果がさらに上がると思います。またピアノも部分的(CやIなど)で演奏されれば効果的だと思います。クラリネット、フルート、トランペットにソロがありますが、それほど難易度は高くありません。そしてVivoからは拍子がどんどん変わります。2/4と3/8の変拍子、2/2からの4/4とめまぐるしいですが、ここが面白いところです。その他にも演奏技術や音域にも作曲者の細やかな配慮が行き届いた作品であるだけでなく、バンド全体がよく響くように工夫されています
 この曲を演奏する場合は是非、空海の人生とその功績について学んでから練習に取り組んで欲しいです。演奏に生かすことも多く見つかるはずです。

Gr:3.5/Time:5:50

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ある女の生涯 ~能「巴」の物語によるファンタジー/松下倫士

Q.どんな曲ですか?教えて田川先生!

⇒これまでの「能」シリーズ以上に壮大で感動的な聴かせどころをもつ作品。

田川伸一郎先生の解説

 松下倫士氏による「能」シリーズの続編です。金管が1管の極小編成ではありますが、全ての木管楽器とユーフォニアムにはソリスティックな旋律があり、各場面での大切な語りを演じます。4パートで書かれた打楽器と独立したピアノパートも曲に色彩を加える重要な役割を担っており、バンド全体が一人として気を抜けない存在感があります。バスクラリネットとバリトンサックスは、だいたい同じ動きをしていますが、時に別の働きをしたり、五度の重なりを演じたりするので、両方があることが望ましいです。オーボエにも度々ソロがありますが、無い場合のために他パートにCue楽譜が書かれています。エンディングの盛り上がりは、これまでの「能」シリーズ以上に壮大で感動的な聴かせどころとなっています。人数が少なくても、個々の表現力とバンド全体の歌のある一体感で、印象的かつ説得力あるステージを作り上げられることでしょう。
指揮者にとっても、楽曲アナリーゼと指揮の工夫から、深い学びが得られる楽曲だと思います。

Gr:4/Time:6:50

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アウローラII ~ 朝陽に満ちて/八木澤教司

Q.どんな曲ですか?教えて田川先生!

⇒ファンタジックで色彩感も豊か、そして、小編成であっても壮大感が感じられる楽曲

田川伸一郎先生の解説

 八木澤教司氏が中学校バンドのために作曲した楽曲を、13名程度から演奏出来る小編成版に改編したものです。曲名のとおり、ファンタジックで色彩感も豊か、そして、小編成であっても壮大感が感じられる楽曲となっています。後半の「八木澤コラール」は温かさと豊かさに溢れ、演奏していても聴いていても、幸せいっぱいになるでしょう。このコラール部の旋律では、スキャットも認められており、練習や本番でぜひ歌を取り入れてみてほしいです。各楽器の音域や動きにも十分な配慮が行き届いており(トランペットの最高音は実音F)、中学生でも無理なく演奏出来るでしょう。努力次第で小学生でも演奏可能です。打楽器は4パート中の2パートがオプション(Tim.もオプション)となっていますが、ぜひ4名で演奏して欲しいです。 八木澤氏の他作品同様、多用されている倚音や掛留音とその解決音を丁寧に表現する勉強を深めることで、つい主旋律中心になりがちな音楽づくりから、内声や低音を大切にした演奏が出来る音楽的なバンドが増えることを願います。

Gr:3/Time:7:00

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信長 ~ルネサンスの光芒(小編成版)/鈴木英史

Q.どんな曲ですか?教えて木内先生!

⇒打楽器も大活躍する多彩な拍子感と豊かなハーモニーが満載の作品!

木内恒先生の解説

 2007年に発表され、数々の名演が残されてきた曲の小編成版です。管楽器は小編成で書かれていますが、打楽器は6パートあります。6人なんてとても無理、という指導者の方もいらっしゃると思いますが、打楽器パートが多いのは英史さんの優しさの表れで「打楽器奏者にとって自分が演奏するパートが無いのは悲しいので…」という考えがあるそうです。楽器を掛け持ちでもかまいませんし、管楽器パートの1年生に受け持ってもらうことでも演奏は可能だと思います。またピアノは是非入れたいです。すべてではなくB、G、J~K辺りに入ってくれれば効果的です。それからソロがフルート、サックス全員(ソプラノも)、ティンパニーにあります。ソロではありませんがホルンも随所で大活躍し、高いEs音もあります(サックスがカバーしています)。
 多彩な拍子感と豊かなハーモニー満載の曲です。今までは大編成の曲と思って選曲しなかった意欲的なバンドに、是非挑戦してみてほしいです。

Gr:4.5/Time:8:40

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「風を越える」吹奏楽のための/福島弘和

Q.どんな曲ですか?教えて田川先生!

⇒「風」をモチーフに福島氏オリジナルの自由自在なアイデアが散りばめられた作品。

田川伸一郎先生の解説

 様々な「風」のイメージが、多彩なテクスチャー、緻密なオーケストレーション、魅力的な旋律、色彩的なハーモニーによって、壮大な展開を見せる楽曲です。福島弘和氏の自由自在な発想がワクワクするように散りばめられ、聴く者の感情が揺さぶられます。
アルトサックスのソロから始まり、持ち替えによるソプラノサックスのソロもあり、プレイヤーの腕の見せどころです。打楽器は4人で演奏可能ですが、使用楽器は多く、どの奏者も大活躍します。少人数でも演奏出来る編成で書かれていますが、最少人数よりもある程度人数がいた方が、より立体的なサウンドや深い表情を見せられるでしょう。緩徐部分には、福島氏独特の温かい旋律とハーモニーが置かれており、前後の場面との対比も絶妙です。場面ごとに表わされている「風」のイメージを語り合いながら、豊かな感性を働かせて演奏してもらいたいです。
なお、ピアノパートには管楽器や打楽器とは別の独立した音があり、必須となります。打楽器奏者との兼用は出来ません。

Gr:3.5/Time:6:50

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4つの奄美島唄によるリトルネッロ/高昌帥

Q.どんな曲ですか?教えて木内先生!

⇒全編を通して奄美島唄の「歌」でつながれた、民謡の魅力を美しく表現した作品!

木内恒先生の解説

 この曲は実に美しく魅力ある場面が次々と出てきます。全曲演奏すると9分半ですが、作曲者自身のカット版が示されていて6分半程で演奏できます。しかしカットするのは惜しいほどの魅力ある音楽ばかりです。打楽器は3パートで演奏できます。演奏面では特別に難しいパートがあるわけではないのですが、なんと言っても6/8をクリアしなければならないだけでなく12/16という拍子をメンバー全員に理解して頂かなければなりません。1小節の中にある8分音符や16分音符をしっかりカウントすることが克服の鍵です。同様にテンポ48にどう対処するかも指導者が問われる点でもあります。次々に変わる拍子とテンポを確実につかむことも、演奏する上で大切なポイントになります。そしてこの曲は全編を通して歌でつながれています歌うように楽器を奏でることを忘れないで演奏してほしいです。
 この曲を演奏する場合は奄美島唄を是非鑑賞して、その美しさと魅力に気付くことがとても意味のあることだと思います。

Gr:4/Time:9:30(6:30)

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田川伸一郎(たがわ・しんいちろう)

 千葉県の小学校教諭として、在職した5校の吹奏楽部全てを全国一位に導く(各種コンクールで計14回)。教員を早期退職後は、全国各地のスクールバンドの活動支援や音楽授業の指導、研究会講師など幅広く活動している。

木内恒(きのうち・こう)

 1960年秋田市生まれ。秋田大学教育学部附属中学校でホルンを吹き始める。秋田県立秋田南高等学校、秋田大学教育学部音楽科器楽専攻を卒業。秋田大学在学中よりホルンを山本真氏(元NHK交響楽団)に師事。全日本吹奏楽コンクールに奏者として2回、指導者として通算13回出場。管楽合奏コンテスト全国大会に4回出場(4年連続最優秀賞、2019年度は審査員特別賞受賞)。2006年秋田国体式典バンド指揮者を務める。2009年山王中吹奏楽部とともに日本バンドクリニックファイナルコンサートに出演。2018年「3000人の大いなる秋田特別演奏会」指揮者を務める。1995,2005,2010年に筑波義厚氏とホルンデュオリサイタルを、2022年にホルンソロリサイタルを開催。
 2007年木内音楽賞受賞。2011年度文部科学省優秀教員表彰受賞。ノースアジア大学明桜高等学校吹奏楽部副顧問。日本ホルン協会理事。あきた芸術劇場「ミルハス」音楽部門アドバイザー。
 

◇木内先生による演奏&練習のためのワンポイントアドバイス!

①「p」は小さくではない!
 あちこちでコンクールやアンコンの審査をしていてとても残念に思うことがあります。それは「p」の演奏です。楽譜にpやppが付いていると、すごく少ないブレスでとても小さな音で吹こうとする小中学生(高校生でもたまに見かけます)が多くいます。特に曲の冒頭はpで始まる作品の際に、出だしからすごく痩せた音色であまり良くない音で演奏するバンドを見かけます。そうすると聴いている方は最初からがっかりしてしまうわけです。
 私はずっと以前から「pは優しく、ppはより優しく」吹くように指示し、十分にブレスを取ってもらうようにしています。ある有名なプロホルン奏者のレッスンで「pはやや表現を抑えるだけで、ブレスはたくさん使うのです」と教えていただいたことがあります。これからは「p」でもたくさんブレスを使いましょう!

②「吹きまね練習」は大切です!
 曲の中で難しいところを練習することに苦労している人も多いと思います。テンポが速かったり、指遣いが難しかったり、あるいはリズムが捉えずらかったりするところは大変です。
 まずやるべきことはゆっくり練習(できるところまでゆっくり)すること、次に特に難しいところだけ抜き出して(場合によっては音符を2個だけ取り出して)練習することです。始めから完璧にできる人はいないはずです。
 その上で取り組んで欲しいのは「吹きまね練習」です。ある程度できるようになったら、音は出さず(場合によっては楽器を口に付けなくてもOK)に「ツッ」とか「トゥ」などで楽譜通り練習してみます。もちろん指遣いやスライドは正しく動かします。最後に楽器を吹いてみるとかなり正確に演奏できるようになります。「吹きまね練習」で難しい曲にもどんどんチャレンジしていきましょう!
(木内恒)

 

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